4月22日(日)に開催された日本シアタースタッフ映画祭で『わが母の記』が<シアタースタッフ期待作10選>に選ばれ、本編上映後、三浦貴大さんと原田眞人監督が舞台挨拶を行いました。映画館スタッフが最も期待する作品として、映画祭の名誉会長を務める漫画家の松本零士さんが表彰状を授与。三浦貴大さんも<今後の活躍が期待される俳優>として登壇し、鑑賞後の観客の熱い反応に応えました。


■日本シアタースタッフ映画祭
【日時】4月22日(日) 16:30~
【場所】サイエンスホール
【登壇者】三浦貴大、原田眞人監督


●原田眞人監督:今日は、『わが母の記』公開1週間前ですが、このようなイベントに招待いただき、大変名誉に思っています。

―――公式HPでは、母へのメッセージを募集しているのですよね?今日は、皆さんそれぞれが感じることが、きっとあると思います。

●原田監督:お母さんだけでなく家族へのメッセージ、これから家族を作ろうと思っていらっしゃる方も未来への家族へのメッセージなど、いろんなメッセージを送り届けて頂けたらと思います。

―――今までどちらかと言えばハードな男の映画が多かった原田監督ですが、今回は女性的な映画です。

●原田監督:やはり自分も母から生まれたんだなという気持ちです。昔、映画ファンになったきっかけが、母親が映画好きだったことなんです。陣痛を起こしたのも映画館の中。そもそも母の影響なんですね。しかも、一番記憶に残っている映画は『山河遥かなり』という、母探しの映画なんです。まわりまわってやっと本来の場所に戻ってきた、という気がします。

―――懐かしい日本映画の感覚が、たっぷり詰まっています。

●原田監督:小津安二郎監督の作品や1959~73年の日本映画を見直して、そこから衣裳など色々取り入れました。小津映画にオマージュをしています。小津映画はローアングルで縦のラインが印象的なのですが、竹藪などで真似してみたりしました。

―――深いですね。伊上家の居間も印象的でした。

●原田監督:あれは、井上先生が(実際に)住んでいたままなんですね。特に居間の数々の蔵書とか、あれはそのままなんです。(本を)出そうとすると崩れてしまうので、そのままにしといてくれ、というくらい。

そもそも、企画前から井上家の方々と親しくなり、井上邸にお邪魔したのですが、あの居間と書斎に『2001年宇宙の旅』の人工知能ハルの中に入ったような、興奮を感じました。この映画は井上邸を使えなければ、完成しないだろう、というくらい惚れ込んだ空間です。

―――撮影後は全て元通りに?

●原田監督:撮影後、取壊しされて、今は更地です。居間と書斎だけ旭川(井上靖記念館)に移築されました。
僕の作品では、男っぽい映画でも壊れゆく空間で撮ったものが多かった。今回はしっとりした作品ですが、やはり無くなってしまう空間。人がほとんど住まなくなった家だったので、撮影時に井上家の方々は「父が生きていた頃は、家族が集まるのが好きだった。昔を思い出す」としみじみ仰っていました。

役所さんも井上邸に入って、1時間くらい早く入って書斎でぼんやり過ごしながら、井上先生の気が下りてくるのを待っていたりしていましたね。

樹木さんは不動産好きなので、家の中を逐一眺めて「いい物件だわ」と。(笑)

今回は、樹木さんにこんなに圧倒されるとは思っていませんでした。樹木さんの衣裳は今回全て自前なんです。映画では初めてだそうですが、ご家族の思い出が詰まっている衣裳を、「このシーンはこの着物で、この帯で」と。これは作品の色合いにもあっていました。お菓子も自前、これが美味しいんですよ。

―――海外でも上映をされるのですか?

●原田監督:海外の反応もすごく良かった。アメリカ人でも韓国人でもインド人でも「映画見ている間、伊上家の食卓に家族と一緒についている気持ちになった」と言っていただけたので、海外でも大丈夫だと思います。


ここで松本零士名誉会長から、<期待作10選>表彰が行われ、その後、三浦貴大さんが登壇されました。

シアタースタッフ映画祭1

●三浦貴大さん:はじめまして、三浦貴大です。こういう舞台に僕なんかが立っていいのかなとドキドキしているんですが、ここに立てて嬉しいです。

―――映画館スタッフが一番期待している俳優ということです。

●三浦さん:嬉しいですね。

―――監督はどんな現場でしたか?

●三浦さん:監督が醸し出す緊張感はすごかったですね。スタッフ・キャストともに良い緊張感があり、僕はすごく楽しかったです。

―――松本零士さん:現場では、カメラの前で動揺しない方ですか?

●三浦さん:この仕事を始めたころはすごく動揺していたんですが、最近はあまりしなくなりました。良い意味での緊張はしますけど。

―――(松本さんに)松本さんの漫画の登場人物のような雰囲気があります、例えれば、どんな存在でしょう?

●松本さん:ハーロックのような美青年の方、かっこいいキャラクターの分類に入りますね。将来私が(映画を)作ることがあったら、よろしくお願いいたします。

シアタースタッフ映画祭2

―――映画好きの皆さんが集まっています。最後にメッセージを。

●三浦さん:本当に最近なかなかないような作品で、見ながらいろんなものを感じてもらえる映画かと思います。今はほとんどなくなってしまった家族の形ですとか、変わらずにある家族の絆ですとか、感じ取っていただければと。今日楽しんで頂けた方は、いろんな人に宣伝していただけたらと思います。

●原田監督:今日は皆さん楽しんで頂けたと信じていますが(会場拍手喝采)、このように期待されて、賞状もいただいて、ものすごく嬉しいです。

かつて昔は映画館に通ったのに、今は行かなくなってしまった高齢者の方々も『わが母の記』に来てくれると思いますが、この賞にはそんな期待が込められていると思います。

若い観客も見た後すごく反応が良いのです。鑑賞後には、おじいちゃんやおばあちゃんに電話したくなったとか、家族と会話したくなったとか、そういう反応があるのですが、劇場に来てもらうまでが大変なので、本当に若い皆さんが一人一人が各自100人くらいを劇場に誘ってください。

三世代を描いていますが、三世代それぞれが家族で楽しんで会話ができる、そういう環境を作っていただければ、映画はもっともっと底上げされていくと思います。どうぞ応援してください。


★ 日本シアタースタッフ映画祭
http://www.timesin.com/eigakan/

◆ 『わが母の記』 いよいよ今週末、4月28日(土)公開!
http://www.wagahaha.jp/
 
 
 
関連記事
2012-04-23 (月) 20:02 / Top↑
Secret

TrackBackURL
→http://wagahaha.blog.fc2.com/tb.php/67-fe99a42c